感覚統合療法
私たちは常にいろいろな感覚を感じながら生活しています。その感覚には、身体の外部から感じる触覚、視覚、聴覚などや身体から感じる前庭感覚(身体の傾きや重力の感覚)、固有受容感覚(関節や筋肉が動く感覚)などがあります。
こうした感覚の中から必要なものを選んだり、必要な量に調整することで、私たちは出来事に合わせた行動をとることができます。この脳内の感覚の処理過程を感覚統合といいます。
感覚統合療法は、学習障害や自閉症など、いわゆる発達障害を持つ子ども達の発達支援理論の1つとして発展してきました。発達に課題を持つ子どもの困り感は、直接表に見えにくく、一般の人達にはなかなか理解できないような感覚、運動や行動、情緒面での困り感を抱えています。
ホースセラピーの感覚統合的効果
馬と関わることにはたくさんの活動があり、その中に感覚統合に効果的な要素があります。
馬のえさやり
草をとるために力をつかう。馬との距離感を考える。馬の口や舌が手に触れる感覚を感じる。世話をする役割意識を持つ。
馬の手入れ
ブラシをかけるための力のコントロール。馬の毛並みを触ることでの感覚刺激。
馬を引いて歩く
馬の距離や停止、発進の間を考えるなど。コミュニケーションの基礎。歩くことでしっかりと身体を使う。
馬に乗る
馬の背中に乗り高さを感じる。歩くスピード、揺れる感覚、体が傾く感覚を受け、平均感覚を養う。
一人で馬に乗る
手綱で操作しながら、姿勢の調整や進行方向を考えるなど、一度に色々なことを考える能力を養う。
馬房の掃除
道具の操作、身体の使い方を覚える。重たいも のを運ぶことで、身体にしっかりと力を入れ筋肉を育てたり、たくさん力を使う機会が増える。